空に輝く月がみてる

先天性高インスリン血症で胃ろうっこの記録

経管栄養について(1)ご飯を食べなくなりました

ぐるこです、こんにちは。

娘は1歳になった夏に突然の飲食拒否になってしまい、その時から経管栄養をしています。今日はどうして経管栄養をすることになったのか、娘が食べなくなった時のお話です。

  *同病のご家族の方へ*

個人の体験記です。先天性高インスリン血症には、一過性or持続性、持続性の中にも様々な遺伝子異常があるため、診断名が同じでも治療法や予後はまったく異なります。

 経管栄養歴について

1.1歳過ぎに突然飲食拒否になる

2. 1歳6か月~経鼻経管栄養を始める

3.3歳2か月~胃ろう造設

 

なぜ経管栄養にしたのか。里帰りで食べなくなりました。

1歳の夏、突然飲食拒否になりました。

 

私の実家に初めて娘を連れて遊びに行っていた時のことです。

私の従妹が私の実家へ行ってみたかったというので、私、娘、従妹の3人で私の実家へ行くことに。夫は仕事のため留守番です。

もちろん、娘の体調は万全。しっかり離乳食も食べるし、ミルクも飲むし、薬も飲むしという状態です。私の妹も九州から甥っ子を連れて実家で合流することになり、産後1年以上引きこもり生活をしていた私にとっては、とても楽しい初めての里帰りになる予定でした。

 

1歳児をつれてのドタバタなフライトも何とかこなし、無事に到着。

ところが、初日の夜娘がご飯を食べません。体調が悪いということはなく、むしろ興奮状態で実家の家の中を走り回って遊んでいます。

おにぎり1個を2時間ほどかけて何とか完食させ、不安はよぎりましたがその日はいつもどおり深夜と早朝のミルクも飲ませることができました。

ところが翌日に、甥っ子(娘の従兄にあたるひとつ上の男の子)がきてからは大変なことに。。

娘は初めてこども同士で遊ぶ体験が楽しすぎたのでしょう。食事やおやつどころではありません。甥っ子がご飯やおやつを食べているのもまったく気にすることなく、とにかく遊びに夢中。

私は、娘に食べさせることができないと何もできません。

食事を1回もスキップすることが許されていないので、とにかく食べさせなくてはいけない。いつも飲んでいるほ乳瓶での薬までも嫌がるようになってしまいました。

とにかく思いつく限りの娘が好きな物を買ってきてもらい、食事に限らずお菓子でもアイスでも何でもいいので食べさせなくてはなりません。(ちなみにこの頃は、ごはんもおかずも何でもむらなく食べていました。野菜も好きですし、食事の偏りは全くない状態です。入院しても病棟の食事は100パーセント完食するような子でした。)

 

仕方がないので何とか寝かせて、寝ている間にミルクや薬を飲ませましたが、起きている間の血糖値もやや低めで、食べないので食べさせる合間に血糖値を測り直したり、明日も食べなかったらどうしようか、ここにこのままいたら入院することになるんじゃないだろうかなどの大きな不安が押し寄せてきます。

結局あまりにも食べないので実家にいることが耐えがたい不安になってしまい、私と娘だけ予定を切り上げて自宅へ帰ることに。

夫に電話で事情を説明すると「きっとそちらで興奮した影響だから、こっちに帰ってきたら大丈夫なんじゃない?」と。

私は「ほんとうにそうだろうか。家に帰っても食べなかったらどうしよう…。」と一抹の不安を抱えながら娘と二人飛行機に乗り自宅へ帰りました。

 

長い長い経管栄養生活が始まるきっかけになったのはこの時のことです。

後に、専門の摂食の医師に診てもらった時にこのエピソードを話したところ、たいへん珍しがられました。笑 

「なるほどねえ…ちょうど他者との遊びが楽しくなる時期で、これまでおうちにいることが多かったから、初めての刺激で楽しくて楽しくてしょうがない状態になってしまったのね。食べなくなったことは大変だけれど、この楽しさを覚えたのは成長によいことなのよ。」と先生はおっしゃっていました。

なかなか珍しいケースのようで、この里帰りが引き金となったことと、完食させるためにスプーンを私が持ち食べさせることが多かったせいなどの原因も指摘されました。摂食障害の外来についてはまた別の記事に書きます。

 

続きます。