【NICU入院中のこと2】上がらない血糖値
ぐるこです、こんにちは。
今日はNICU入院中のことその2。診断がおりる前のお話です。
*同病のご家族の方へ*
個人の体験記です。先天性高インスリン血症には、一過性or持続性、持続性の中にも様々な遺伝子異常があるため、診断名が同じでも治療法や予後はまったく異なります。
ひとつ前の記事では低血糖症状についてお伝えしたかったので、私の感情の部分はあまり書きませんでした。
当時の私の気持ちを、少しずつ書き出してみたいとずっと思っていました。
生まれつきの病気があるのかもしれない…
赤ちゃんと一緒に退院できると思っていた私
産まれてすぐNICUに入院することになり、赤ちゃんとは別々の入院生活になった私。
夜は新生児室で預かるタイプの産科でした。
帝王切開の翌日から搾乳が始まります。
新生児室のすぐとなりが授乳室で、NICUに赤ちゃんが入院しているママもそこで搾乳をするシステムです。
ほかの産婦さんたちがおっぱいをあげているのを「かわいいですね」なんて話しながら、私はひとりでもくもくと搾乳をしました。
最初は搾乳がむずかしくて、赤ちゃんが吸ってくれないからなのかな…なんて悲しく思う気持ちもすこしありました。
でも先生からは「1週間ほどで低血糖がおさまると思うから。そうしたら赤ちゃんと一緒に退院できるはず」と言われていたので「つらいのは今だけ」と自分を励ましました。
まさかそんなめずらしい病気を持っているなんて誰も(主治医さえも)思っておらず「私がいまできることは搾乳して面会に行くことしかない」と搾乳したおっぱいをもってNICUに面会に行く毎日。
早く低血糖状態がおさまることだけを祈っていました。
生後すぐの重症な低血糖状態(血糖値15㎎/㎗)が今後の成長のなかで、何かしらの障害を残す可能性がある説明を受けました。
また血糖値が目安として30㎎/㎗以下が続くようだと脳への障害が起こる可能性が高いので、とにかく赤ちゃんの血糖値を上げるためにおっぱいとミルクを頻回に飲ませることをまずはやっていくと言われていました。
*里帰り先ではこのように言われましたが、自宅近くのこども専門の大きな病院で、この病気の専門医から言われたことは少し違います。
少し細かいですが、同病のご家族の方には気になる情報だと思いますので記しておきます。
- 血糖値は70をきってはいけない。ギリギリ多目に見ても60台はほしい
頻回な低血糖状態が起こること自体で、少しずつ脳へのダメージが蓄積される可能性がある。
里帰りさきの病院ではまあ50あればいいかな?と言われていましたがちょっと基準が甘かったようです。
血糖値の数値でどれぐらいのダメージが出るかは個人差がある。
また、そのような重症低血糖状態は速やかに改善させなければいけないので、血糖値がいくつだからどのような後遺症が残るかなどの研究はすすんでいない。 - この病気の赤ちゃんは血糖値が少し低いな?という数値から、突然がくんと血糖値を下げてしまい重篤な障害が残る可能性があるので、とにかく頻回ほ乳することが必要。
- 赤ちゃんに針を刺すことをためらわずに、とにかく血糖値を測定すること。
元気そうに見えて(見ために症状が出ていなくても)低血糖になっていることがある。 - ほ乳で血糖値が上がらないようなときは絶対にブドウ糖の点滴が必要。血糖が落ち着くまでは点滴を外せないので即入院。
【生後2日目~7日目 血糖値30~50】
*ブドウ糖点滴ありの数値
*血糖値の正常値は70以上
上がらない血糖値
生後1週間になり点滴を続けていますが、血糖値があがる兆しが見られません。
私が入院していた産科のほうも、できれば赤ちゃんと一緒に退院させてあげたいけれど…そろそろベッドをあけてほしい、という雰囲気に(これは当たり前ですよね)
正直なところ、NICUにすぐに面会に行ける産科にもう少しだけ入院していたい気持ちはありましたが、誕生から8日目に私だけ先に退院しました。
赤ちゃんといっしょに退院できるものだと思っていたので、お世話になった産科のナースステーションにひとりで挨拶にいったときは、やっぱり何ともいえない気持ちでした。
そして何だかいやな予感がしてきます。
「1週間ぐらいで低血糖もおさまるだろうと言われていたのに…低確率って言ってためずらしい病気…?
いやいやまさかね…40000分の1なんてまさか引かないでしょ…」
主治医は「もう1週間点滴を続けて様子を見ましょう」と言ってくれました。
【生後8日目~14日目 血糖値30~50】
*ブドウ糖点滴ありの数値
*よくなっている兆しはなし
☆ 3に続きます。